未来につなぐ被爆の記憶プロジェクトこれまでに多くの被爆の証言が書き残されてきました。その多くは、被爆者の会や個人が冊子等の媒体で残した、発行部数も限られたものでした。継承する会では、各県・地域の被爆者の会が発行した体験記・手記集のインターネット上での公開をめざしています。同時に、当プロジェクトでは、被爆者・ご家族の許可をいただけた手記や体験記を広くインターネット上に公開し誰にでも読めるようにすることで、被爆者の体験と思いを継承していく一助としたいと考えています。特に、被爆地をはなれ、戦後を生きた各地の被爆者たちの足跡を地図情報として表すことで、原爆被害が身近なものであることを感じていただくことを願っています。
被爆者が高齢化するなかで、被爆者の体験と思いを直接聞き取ることができる機会はもう多くは残されていません。私たちは、その方の文章や写真を手掛かりにしながら、少人数で直接被爆者からお話を聞く場を設けています。この活動の中では、これまで手記として書かれた内容の背景を理解することができ、時には手記には表現しきれなかった思いや書ききれなかった事実が浮かび上がることもあります。貴重な「記憶遺産」を未来へと継承するために、今でなければできない活動です。
『特定非営利活動法人 ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会』は、原爆被害の実相と、被爆者が遺してきた証言・記録・資料を収集、保存、普及、活用し、その記憶遺産の継承をめざす事業を行い、「ふたたび被爆者をつくるな」という願いの実現に寄与することを目的として2012年に発足したNPO法人です。